statement

寒々とした荒野の風景、畑に存在するプリミティブな案山子、風吹きすさぶ海辺に取り残された漂着物…
時代の流れに押し流され消え往く存在たちが、ゆるやかな日常生活のなか、際立って目に飛び込んでくることがある。
物質的に満ち足りた現代の幸福と激しい陰影のコントラストを持って存在するそのような「異物」が放つ、
哀しみと怒りの魂に呼応することが、作品制作に繋がっている。
西日を受け、浮遊感・孤独感・喪失感を引きずって歩く背中を見せながら自分自身が「異物」になり、人生の背面を観る者に追わせるような表現を大切にしている。